写景(3) 夜の小道

昨日で旧メモ帳や紙片の整理が終わった。ブログ継続日数24日。日々の閲覧数はほぼ1名、ときおり2名のこともあるが、3名になったことはない。いささか、さびしくはあるが、もとより多人数の関心をひくブログではなく、独りよがりの記事内容だとの自覚はある。…

輯景(2) 公園

公園前の道路の脇に、配達便の車が停車中。赤いテールランプが点滅している。青い制服の若い男のドライバーが、荷台の荷物をより分けている。スクーターがその脇を通り抜けて行く。犬連れの中年の女がドライバーを見て、それから民家の塀越しに、ふり仰ぐよ…

輯景(1) 老女

「団地の並木道」 冬枯れの落葉し切った並木が、団地の出入り口へと続く。その道を老婆が買い物カートを、背を丸めて押していく。高台の居住棟エリアへの坂道を、中学生くらいの制服姿の少女が登っていく。並木の枝越しに遠く山の稜線が見えている。団地の外…

覚帖(十八) 休日の大池公園

昼を過ぎたばかりの空は灰色一色。芝生の上で、二人とも小学生くらいに見える少年と少女がバトミントンをしている。辺りにはゆるい風が吹いている。そのせいもあってか、二人の羽根のやり取りのラリーは、せいぜい一度か二度しか続かない。彼ら二人の周りで…

覚帖(十七) 公団住宅前バス・スタンド

辺りは日暮れて、バス・スタンドで若い女が一人だけバス待ちしている。女は、白いマスクをした顔を俯けてスマホを見ている。脇に立つバス停表示灯が、佇む女をほの明るく照らし包んでいる。女から真横に十メートルくらい離れて電話ボックスが立つ。女とその…

覚帖(一六) 住宅地域内の通り道

日暮れどき、住宅地域内の道を中学生くらいの少年が歩いて行く。そのかたわらを、一人の少女が背後から足早に通り過ぎる。そして少年の七、八メートル前で立ち止まり、振り向いて彼を見る。少女は四、五歳、短パンにtシャツ。肩にかかる髪は黒いが、その顔…

覚帖(十五) 団地の駐車場」

雨上がりの夕刻の空に星がまばらにでている。建ち並ぶ居住棟の外付けの廊下や、非常階段はすでに常夜灯で明るい。出入口の一画の狭い駐車場内に、冬枯れの落葉し切った丈の高い立木が一本ある。その枝に何か白い布のような物が一つ絡まっている。そばの外灯…