覚帖(十八) 休日の大池公園

 昼を過ぎたばかりの空は灰色一色。芝生の上で、二人とも小学生くらいに見える少年と少女がバトミントンをしている。辺りにはゆるい風が吹いている。そのせいもあってか、二人の羽根のやり取りのラリーは、せいぜい一度か二度しか続かない。彼ら二人の周りで、背丈から見て中学生くらいの少年一人と、小学生くらいの少女二人が追っかけっこをしてはしゃいで回る。イスラム教徒の子弟らしきその場の少女たち三人はみなともに、時代劇の女の「おこそ頭巾」のようにスカーフを被っている。幅広のスカーフの端は、少女たちの背中半分ほどにも垂れている。その色、ピンク一つとブルー二つが緑の芝生の上で弾んでいる。

(2017~19)